「いじめっ子といじめられっ子の再開」(2)
2016.09.25.07:47
嫌な汗が脇の下を流れる
ボッキーは私に気付いただろうか…
いや…気付くわけがない…
髪型だって違うし、苗字だって違う…あの頃とは雰囲気もだいぶ変わったし、胸だって大きくなった
でも…風呂上りでノーメイクだし、それに…この鎖骨の間にあるホクロ…
あいつは…ボッキーはあの頃、このホクロを何度も目にしていたはず…
挨拶の品を受け取って、玄関のドアを閉めた
いつも私をキラキラと眩しく照らしていた真夏の太陽に、突如沸き上がった巨大な積乱雲が僅かにかかり始めていた
翌週から娘は幼稚園に通い始めた
近所でも2人、同じ幼稚園に通い始めた子供がいる
ウチの目の前が幼稚園バスのバス停になっているので、毎朝バスの到着予定時刻の10分前になると近所の園児とママ達も集まり始める
娘を乗せたバスを見送り、近所のママさん達との立ち話を終えて、家に入ろうとしたところ…私道を挟んだお隣の斎藤さんのご主人が回覧板を手にやってきた
「おはようございます藤田さん。」
「あっ、おはようございます…」
斎藤さんのご主人は不動産屋で働いているので平日が休みらしいのだが、偶然とは思えない程頻繁に私と遭遇する
ゴミ出しする時、買い物に出るとき…まるで図ったようにタイミングが合う
「ご主人…出張が多いようですけど、ご主人が不在の時に困った事とかあったら何でも俺に言ってくださいね。すぐに伺いますから」
「は、はい…」
斎藤さんの下心がミエミエだった
耳まで真っ赤になってるし、ズボンの股間部分が膨らんでいた…絶対にこの人には近寄るまいと思った
私は適当に斎藤さんをあしらい、自宅へ入った
回覧板の中身をチェックしてシャチ○タで捺印し、裏の高橋さんのお宅へ向かった
奥さんが出るといいな…
でも…ボッキーが私の事を覚えているのか…それも気になる…確かめるにはチャンスでもある…
私は高橋家のインターフォンを押した…
「はい…」
奥さんの声じゃなかった…
「あっ、あのっ…藤田です…回覧板持ってきました…」
「…」
返事がない…
「あ、あの…」
「鍵、開いてるからリビングまで持ってきてくれませんか?今、仕事中で手が離せないんで…」
「え…?じゃあ、ポス…」
ガチャっとインターフォンの切れる音がした…
ポストに入れておくと言おうとしたのに、途中で切られてしまった
私は覚悟を決めて届けようと思った
最悪…襲われそうになっても、あの小太りな体型ならなんとか太刀打ちできそうだし…まさかあのボッキーにレイプされることはないだろう…
玄関のドアを開け、恐る恐る声を掛けた
「ごめんくださ~い、藤田です…。お邪魔しま~す」
2階へ続く階段の隅、廊下…ところどころに段ボール箱が置かれている
きっと、まだ引っ越しの荷物が入ったままなのだろう…
間取りはウチと違うみたいだけど、リビングはたぶん…廊下の突き当りのドアの向こうかな…?
私はドアをノックして声を掛けた
「回覧板持ってきました…失礼しま~す」
ドアをゆっくり開けると、本当にボッキーはダイニングテーブルで仕事をしていた
ダイニングテーブルの上にはパソコンが置かれ、足元のプリンターから紙が吐き出されている
床には何枚ものイラストが描かれた紙が散乱していた
「ハンコ押すからこっち持ってきてください…、で、悪いんだけど…次のお宅へ持っていってくれませんか…」
「あ…はぁ…」
私はゆっくりボッキーに近付いた…
ダイニングテーブルには資料と思われる…女性器が修正されていないエッチな本が山積みになっていて、その周りにボッキーの描いたと思われる卑猥なイラストが散乱している
これって…
私に対するセクハラなのだろうか…?
あのころの仕返しのつもりなのだろうか…?
私は回覧板を開いてそのイラストの上に置いた
ボッキーは中の印刷物などろくに見もしないで三文判を押した…
私は回覧板を受け取り帰ろうとボッキーに背を向けた、その時…
「あ、ちょっと待って真田さん…」
私はゆっくり振り返った
「真田さんでしょ…?相変わらず綺麗だから直ぐにわかりましたよ。これ…僕が描いた絵…差し上げます…結構売れてるイラスト集なんです」
「え…?あ…ありがとうございます…」
渡された紙袋を手にし…私は高橋家を後にした
回覧板を次のお宅へ届けて自宅に戻ると、リビングのソファーに座ってボッキーから手渡された紙袋から中身を取り出した
イラスト集は「M男の軌跡」というタイトルだった
中を開いて、私は言葉を失った…
そこには中学生の頃、私がボッキーに対して行った様々な虐めの様子がリアルに描かれていた…
ボッキーは私に気付いただろうか…
いや…気付くわけがない…
髪型だって違うし、苗字だって違う…あの頃とは雰囲気もだいぶ変わったし、胸だって大きくなった
でも…風呂上りでノーメイクだし、それに…この鎖骨の間にあるホクロ…
あいつは…ボッキーはあの頃、このホクロを何度も目にしていたはず…
挨拶の品を受け取って、玄関のドアを閉めた
いつも私をキラキラと眩しく照らしていた真夏の太陽に、突如沸き上がった巨大な積乱雲が僅かにかかり始めていた
翌週から娘は幼稚園に通い始めた
近所でも2人、同じ幼稚園に通い始めた子供がいる
ウチの目の前が幼稚園バスのバス停になっているので、毎朝バスの到着予定時刻の10分前になると近所の園児とママ達も集まり始める
娘を乗せたバスを見送り、近所のママさん達との立ち話を終えて、家に入ろうとしたところ…私道を挟んだお隣の斎藤さんのご主人が回覧板を手にやってきた
「おはようございます藤田さん。」
「あっ、おはようございます…」
斎藤さんのご主人は不動産屋で働いているので平日が休みらしいのだが、偶然とは思えない程頻繁に私と遭遇する
ゴミ出しする時、買い物に出るとき…まるで図ったようにタイミングが合う
「ご主人…出張が多いようですけど、ご主人が不在の時に困った事とかあったら何でも俺に言ってくださいね。すぐに伺いますから」
「は、はい…」
斎藤さんの下心がミエミエだった
耳まで真っ赤になってるし、ズボンの股間部分が膨らんでいた…絶対にこの人には近寄るまいと思った
私は適当に斎藤さんをあしらい、自宅へ入った
回覧板の中身をチェックしてシャチ○タで捺印し、裏の高橋さんのお宅へ向かった
奥さんが出るといいな…
でも…ボッキーが私の事を覚えているのか…それも気になる…確かめるにはチャンスでもある…
私は高橋家のインターフォンを押した…
「はい…」
奥さんの声じゃなかった…
「あっ、あのっ…藤田です…回覧板持ってきました…」
「…」
返事がない…
「あ、あの…」
「鍵、開いてるからリビングまで持ってきてくれませんか?今、仕事中で手が離せないんで…」
「え…?じゃあ、ポス…」
ガチャっとインターフォンの切れる音がした…
ポストに入れておくと言おうとしたのに、途中で切られてしまった
私は覚悟を決めて届けようと思った
最悪…襲われそうになっても、あの小太りな体型ならなんとか太刀打ちできそうだし…まさかあのボッキーにレイプされることはないだろう…
玄関のドアを開け、恐る恐る声を掛けた
「ごめんくださ~い、藤田です…。お邪魔しま~す」
2階へ続く階段の隅、廊下…ところどころに段ボール箱が置かれている
きっと、まだ引っ越しの荷物が入ったままなのだろう…
間取りはウチと違うみたいだけど、リビングはたぶん…廊下の突き当りのドアの向こうかな…?
私はドアをノックして声を掛けた
「回覧板持ってきました…失礼しま~す」
ドアをゆっくり開けると、本当にボッキーはダイニングテーブルで仕事をしていた
ダイニングテーブルの上にはパソコンが置かれ、足元のプリンターから紙が吐き出されている
床には何枚ものイラストが描かれた紙が散乱していた
「ハンコ押すからこっち持ってきてください…、で、悪いんだけど…次のお宅へ持っていってくれませんか…」
「あ…はぁ…」
私はゆっくりボッキーに近付いた…
ダイニングテーブルには資料と思われる…女性器が修正されていないエッチな本が山積みになっていて、その周りにボッキーの描いたと思われる卑猥なイラストが散乱している
これって…
私に対するセクハラなのだろうか…?
あのころの仕返しのつもりなのだろうか…?
私は回覧板を開いてそのイラストの上に置いた
ボッキーは中の印刷物などろくに見もしないで三文判を押した…
私は回覧板を受け取り帰ろうとボッキーに背を向けた、その時…
「あ、ちょっと待って真田さん…」
私はゆっくり振り返った
「真田さんでしょ…?相変わらず綺麗だから直ぐにわかりましたよ。これ…僕が描いた絵…差し上げます…結構売れてるイラスト集なんです」
「え…?あ…ありがとうございます…」
渡された紙袋を手にし…私は高橋家を後にした
回覧板を次のお宅へ届けて自宅に戻ると、リビングのソファーに座ってボッキーから手渡された紙袋から中身を取り出した
イラスト集は「M男の軌跡」というタイトルだった
中を開いて、私は言葉を失った…
そこには中学生の頃、私がボッキーに対して行った様々な虐めの様子がリアルに描かれていた…